糖尿病の方へ。糀シロップ コージローとの上手な付き合い方

「甘いものを楽しみたいけれど、血糖値が心配で…」
糖尿病と向き合う方にとって、食生活の管理は日々の大切なテーマかと思います。
特に、甘いものとの付き合い方に悩んでいる方は少なくないかもしれません。

「糀シロップは、糖尿病でも飲むことができますか?」というご質問をいただくことがあります。

この記事では、その疑問に対し、作り手として、科学的な情報に基づき、誠実にお答えしたいと思います。
糀シロップ コージローの特性をご理解いただき、ご自身の体と相談しながら、食の楽しみを広げる一つの選択肢として考えていただくための情報です。

大切なこと: 本記事は、糀シロップに関する情報提供を目的としており、医学的な助言に代わるものではありません。糖尿病の方が食事内容を変更する際は、必ずかかりつけの医師や管理栄養士にご相談ください。

糀シロップの糖質と血糖値について

まず、最も大切な点からお伝えします。糀シロップ コージローは、砂糖や人工甘味料を一切使用していません。その甘みは、お米のデンプンを米麹の酵素が分解することで生まれるブドウ糖やオリゴ糖による、自然由来のものです。

重要なのは、ブドウ糖が含まれるため、摂取すれば血糖値は上がるということです。

ただし、同じ糖質量であっても、砂糖(ショ糖)を直接摂取した場合とは、体への吸収のされ方が少し異なります。糀シロップには、ブドウ糖のほかに、食物繊維やオリゴ糖、アミノ酸などが含まれています。これらの成分が、消化吸収の過程に影響を与え、血糖値の上昇が比較的緩やかになる可能性が研究で示唆されています。

とはいえ、「血糖値が上がりにくい」と考えるのではなく、「ご自身の体にとって、どのくらいの量なら問題ないか」を正しく把握することが何よりも重要です。

【研究紹介】糀の発酵が生む、おだやかな吸収の可能性

日本の醸造学会誌に掲載されたある研究では、健常な成人を対象に、米麹から作られた甘酒を飲んだ後の血糖値とインスリン(血糖値を下げるホルモン)の量を測定しました。(※1)

比較対象として、甘酒と同じ糖質量になるよう調整した「米糖化液(米麹による発酵工程を経ていない、お米由来の糖液)」を用意し、飲んだ後の数値を比べました。

その結果、米麹の甘酒を飲んだ後の方が、米糖化液を飲んだ後に比べて、血糖値とインスリン量の上昇が有意に抑えられたことが明らかになりました。

これは、米麹が発酵する過程で生み出す、糖以外の様々な成分(食物繊維、オリゴ糖、アミノ酸、ペプチドなど)が複合的に働き、糖の吸収を穏やかにしている可能性を示唆しています。「ただ甘いだけではない」糀が持つ奥深さの一端が、科学的にも示されたと言えるでしょう。

(※1 出典: J. Brew. Soc. Japan Vol. 115, No. 1, p. 43-53 (2020))

血糖管理だけではない、糀シロップの可能性

糀シロップが持つ力は、甘みだけではありません。発酵の過程で生まれる様々な栄養素が、すこやかな毎日を支えるお手伝いをします。

  • 腸内環境を整える「オリゴ糖」
    糀の発酵過程で生まれるオリゴ糖は、腸内にいる善玉菌のエサとなり、その活動を助けます。近年の研究では、腸内環境を整えることが、体全体の調子、ひいてはインスリンの働きにも良い影響を与える可能性が指摘されています。
  • 代謝を助ける「ビタミンB群」
    糖質や脂質をエネルギーに変えるために不可欠なビタミンB群が豊富に含まれています。体のエネルギー作りを円滑にすることは、健康管理の基本です。
  • 体を作る「必須アミノ酸」
    私たちの体を作る上で欠かせない必須アミノ酸も含まれています。糀の酵素によって分解されているため、消化の負担が少なく、効率的に体に届けられます。

上手な取り入れ方の3つのポイント

もし、かかりつけの医師や管理栄養士に相談の上で、糀シロップを試してみるということでしたら、以下のポイントを参考にしてください。

  1. 「置き換え」で考える
    糀シロップを「追加」するのではなく、普段の食事に含まれる他の糖質と「置き換える」という考え方を基本にしましょう。例えば、間食で果物を召し上がる方なら、その果物の糖質量と比較検討するのが分かりやすいかもしれません。 参考までに、糀シロップ コージローの糖質は100gあたり約18gです。これは、一般的なバナナ(可食部100g)の糖質量と近い値です。
  1. ごく少量から試す
    まずは小さじ1杯程度から始め、ご自身の血糖値にどのような変化があるかを確認することをお勧めします。体の反応には個人差が大きいため、ご自身の体の声を丁寧に聞くことが大切です。
  1. タイミングを工夫する
    一度に飲むのではなく、朝と午後に分けるなど、時間を空けて少しずつ取り入れることで、血糖値の急激な変動を抑えやすくなります。また、食物繊維が豊富なヨーグルトなどに混ぜて食べると、吸収がより穏やかになることが期待できます。

正しく知り、上手に付き合う

糀シロップ コージローは、糖質を含むため、糖尿病の方が無条件に安心してたくさん飲める、というものではありません。

しかし、その特性を正しく理解し、専門家と相談しながら、ご自身の体に合った量やタイミングを見つけることで、食生活に彩りを加える、心強い味方になることができると私たちは信じています。

砂糖を使ったお菓子やジュースの代わりに、栄養豊富な糀シロップを少しだけ。 それが、食の楽しみを諦めない、すこやかな毎日へと繋がることを心から願っています。

目次