「3分の壁」を超えた先の静寂。4分間息を止められるようになった話。

呼吸法と冷水浴からなるヴィム・ホフ・メソッド。
なぜこれを始めることにしたのかについてはこちらをご覧ください。

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「呼吸と冷水」を習慣にしてみた 2025年秋、脊椎腫瘍の発覚。手術までの不安な日々の中で、「何か自分でできることはないか」と探し当てたのが、ヴィム・ホフ氏の提唱する呼吸法と冷水浴でした。スピリチュアルな奇跡は信じない私が、なぜこのメソッドを実践することにしたのか。その理由と、感染症が流行する中で手術当日まで体調を崩さずに過ごせた実体験を綴ります。

冷水シャワーについて詳しくはこちらをご覧ください。

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今回は呼吸法についてです。
実際何をするのか?

基本構成は
・早く深い呼吸30回で過呼吸気味にする

・息を吐ききった状態で息を止める(1分~4分)

・息を大きく吸って15秒止める

の繰り返し。息を止める時間を徐々に延ばしていきます。
これを3回~5回くらい繰り返します。

呼吸法によってがん細胞を攻撃できる?

いろいろ調べてみると、この呼吸法によってがん細胞が弱るという記述がありました。「過呼吸によって血液がアルカリ化し、がん細胞が弱る」という説です。私なりに深堀りしてみました。

・呼吸法で血液をアルカリ化できるのか?
過呼吸によって実際にphが上昇するようです。
平常値pHは7.35~7.45の間ですが、7.45を超えて上昇します。

・アルカリ性の血液によってがん細胞は弱るのか?
がん細胞の周辺は弱酸性になっていて、がん細胞をアルカリ化することで死滅させる研究が存在するようです。

ちょっと納得しそうになりましたが、呼吸法によって上昇したphはどのくらいの時間キープできるのか調べてみると、数分から数十分で平常値に戻るとのことでした。
年がら年中クラクラするような過呼吸状態が維持できるならともかく、一日一回程度の呼吸法トレーニングでは「がん細胞への攻撃」としては効果はあまり期待できないように思えます。
そもそも常に過呼吸状態って別の健康被害がありそう。
がんに対する効果は「あったらラッキー」程度と考えるのが妥当と思われました。

では、なぜ実践するに至ったか

私が期待したのは、呼吸トレーニングによるメンタルヘルスの改善と、肉体へのショック療法(ホルミシス効果)です。

実はあれこれ調べて検証する前に、とりあえずyoutubeの動画を見ながらトライしてみたのです。ヴィム・ホフさん本人がガイドしてくれるyoutube動画があり、それを見ながら簡単に始められます。

実際にやってみて、
・手足の温度上昇
・脈拍や血流に集中する感覚
・うまく瞑想できた瞬間のような静寂
・息を止めていられる時間が目に見えて伸びていった
などの効果を感じられました。

これを始めた頃は、がんの発覚で精神状態が不安定だったのでメンタルヘルスの改善が実感できたことは大きかったです。
過呼吸状態と酸欠状態を行き来するため、身体の状態がどんどん変化します。この変化に注目し集中することで瞑想をしているような感覚が得られることがわかりました。

肉体に負荷をかけることで活性化するホルミシス効果については「あったらいいな」の域を出ません。
しかしこの呼吸法を何日か続けていると、過呼吸に対する耐性もついてきて当初ほどの不快感を感じなくなってきました。息を吐ききって止めていられる時間も日に日に伸びていきました。心肺機能や肉体のキャパシティが増えた実感があります。

いい感じ。少なくとも悪くない。

「呼吸を忘れる」という不思議な感覚

このトレーニングを続けていくうちに、不思議な体験をするようになりました。深く速い呼吸の後、息を吐ききって止めるのですが、今では調子が良いと4分間以上止められます。

ただ、毎回できるわけではありません。 だいたい「3分前後」に、強烈な苦しさがやってきます。ここを超えられるかどうかが分かれ道です。

集中できている日は、この3分の壁をスッと抜ける瞬間があります。 すると、それまでの息苦しさが嘘のように消え、「束の間の静寂」が訪れます。 何も考えていない。苦しくもない。 ふと気づくと「あれ、いま呼吸することを忘れていたな」という状態になります。
なんと4分たったことに気づかず、4分以上息を止めていたこともあります。

この感覚になれた時の静けさはとても気持ちの良いものです。
ざわざわと雑念が浮かんでは消える普段の状態と違って、ただただ静か。

瞑想のように意識のコントロールでこの状態にもっていくには相当なトレーニングが必要なのではないでしょうか。それに比べるととても簡易的で強引な方法かもしれませんね。
酸欠で思考力が無くなっているだけかもしれません。。

ジャン・レノが出ている「グランブルー」という映画が好きで、本編とメイキングムービーを何度も見たのですが、その中に
「深く潜ると静けさに包まれる。とても気持ちよくて水中から上がってくる理由が見つからない。」といった意味合いの言葉があったと記憶しています。

たぶんこれに近い感覚なんだと思います。

【重要】場所を選びましょう

試してみたいという方がおられたら、一つだけ強く言っておきたい注意点があります。それは「絶対にベッドやソファなど倒れても安全な場所でやる」ということです。なぜなら脳が酸欠状態になり気を失う可能性があるからです。

私の経験だと気絶というより「寝落ち」のような感覚です。
「あれ?寝てた?」という経験を何度かしました。
ちなみに安全な環境であれば、酸欠でブラックアウトしてもそのまま死ぬことは無いそうです。ただしそれが水中や、転倒で怪我をする環境であれば話は別です。
お風呂場や運転中は厳禁です。

私はやって良かった

病気が発覚し、手術前の精神が不安定だった時期に、このトレーニングで「深い静寂」を作り出せたことは、私にとって救いになったことは間違いありません。
「何か行動していないと不安」という状態に対して良いアクションだったと思います。

もし興味があれば挑戦してみてください。
ソファやベッドの上で、youtubeが見られれば始められますよ!
私がお世話になったyoutube動画をご紹介します。

まずはここから。初心者向け3ラウンド。10分くらいで終わるので始めやすいです。

4ラウンド目に息止め3分に達します。その後の瞑想タイムが20分ありますが、呼吸を整えながらボンヤリして飽きたら終了。瞑想は自分のタイミングでやめます。私にとっては、日々続けるのに一番ちょうど良いです。

6ラウンド目に息止め4分に達します。トータル30分近くかかるので気分が乗っていて時間にも余裕がある時向け。毎日これをやるのはけっこう大変です。やり切った時の達成感はすごい。
「息を吐ききって4分止めるなんて絶対無理」と思っていましたが、いつの間にかできるようになります。
私の場合、記事で紹介した「完全な静けさ」は3分超えないと訪れないので本当はこのコースがベストなのですが、バランスを取りながらできる時はこちらをやる、という感じです。

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