米糀はどこで購入していますか?

お客様から製品について様々なご質問をいただきますが、中でも「この米麹はどこで購入しているのですか?」というご質問をいただくことがあります。

実はこれ、私たちのものづくりのまさに核心に触れる、とても嬉しく、そして大切なご質問です。なぜなら、コージローの味わいのすべては、この「米麹」から始まっているからです。

今回はこのご質問に、開発者として少し詳しく、私たちの想いとこだわりを込めてお答えしたいと思います。

私たちの米麹は「自家製」です。

まず、ご質問への明確な答えから。 糀シロップ コージローに使用している米麹は、外部からの購入は一切しておりません。すべて、石川県にある自社の工房で、原料となるお米選びから一貫して手づくりしています。

「なぜ、そこまで手間をかけるのですか?」 きっと、そう思われる方もいらっしゃるでしょう。 その理由は、私たちが目指す味わいが、市販の米麹では実現できなかったからに他なりません。

開発の原点と、「自家製」を選んだ理由

私たちのミッションは、「糀のイメージを変える、新しい体験を」届けることです。 特に、かつての私自身がそうであったように、「体に良いと知っていても、糀の独特な風味が苦手」という方にこそ、糀の恵みを届けたいと強く願っています。

必要な米麹は、米麹自体にクセが非常に少ないものであり、効率的に強い甘みを作るためにグルコアミラーゼを限界まで蓄積した米麹。一般的には少々極端な性質の米麹です。

このような米麹はなかなか市販品から見つけることはできません。
「糀シロップコージローに必要な米麹は自作するしかない。」
そんなわけで米麹はすべて自社製造を行っています。

性質の異なる米麹を一つ一つ手作りしています

コージローの味わいを支える、自家製米麹

こうして始まった私たちの米麹づくり。そこには、美味しさと安心を支えるための、大きく3つのこだわりが詰まっています。

1.土台を支える、石川県産の特別栽培米
美味しい米麹は、良質なお米から生まれます。私たちは、地元である石川県の生産者の方々が丹精込めて育てた、特別栽培米のみを原料としています。 シンプルな原材料だからこそ、その質には一切妥協できません。お米そのものが持つ、ふくよかな甘みや旨みが、コージローのやさしい味わいの土台となっています。

2.味わいを設計する、麹菌の探求とブレンド
味わいを決定づけるのが「麹菌」です。その種類は無数にあり、どの菌を選ぶかで甘みや風味は全く別のものになります。私たちは、まるで宝探しのように全国から様々な個性を持つ麹菌を取り寄せ、その可能性を探りました。

研究の末にたどり着いたのが、単一の菌だけではなく、数種類の麹菌を培養し、目的にあわせてブレンドするという手法です。それぞれの麹菌が持つ長所を最大限に引き出し、組み合わせることで、クセや雑味を抑えながらも、奥行きのあるすっきりとした味わいを生み出すことに成功しました。

3.甘みを極限まで引き出す、90時間の長時間発酵
コージローの砂糖を使わない自然な甘みは、独自の長時間発酵技術によって生まれます。

一般的な米麹づくりが約40時間で完了するのに対し、私たちはその倍以上となる90時間もの時間をかけて、じっくりと麹菌を育て上げます。 なぜなら、米のデンプンを分解し甘みのもととなるブドウ糖やオリゴ糖をつくり出す酵素「グルコアミラーゼ」を、米麹の中に極限まで蓄積させるためです。

この理想的な発酵環境を求めた結果、私たちは麹を育てるための「培養装置」そのものも自社で開発するに至りました。 精密な温度管理のもと、最適な環境で時間をかけて発酵させる地道な工程が、深く自然な甘みを引き出してくれます。

答えは、製品の中にあります

「米糀はどこでつくられていますか?」というご質問へのお答えは、 「私たちの工房で、想いを込めてつくっています」となります。

この一見すると非効率にも思える手間ひまこそが、コージローの「糀っぽくない」美味しさ、そしてご家族皆様で安心して飲んでいただける品質の源泉です。

一口お飲みいただいた時に感じるやさしい甘みや、すっきりとした後味の中に、私たちの米麹づくりへのこだわりが詰まっています。ぜひ、その違いを感じていただけましたら幸いです。

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