
こんにちは。「糀シロップ コージロー」代表の酒師です。
「糀シロップ コージロー」をご愛用くださるお客様から、「これを飲み始めてから、朝すっきりと目覚められるようになった気がします」といった、嬉しいお声をいただくことがあります。糀の発酵がもたらす力が、お客様の健やかな毎日に少しでもお役に立てていることを、心から嬉しく思っています。
とはいえ・・と私は考えました。なぜ、糀が「朝の目覚めの良さ」につながるのだろう、と。
考えられるのは「腸内環境の改善による睡眠の質の向上」によるもの。
腸を通じて身体の各所に及ぼす影響について調べていくと、「腸脳相関(ちょうのうそうかん)」という言葉に行き着きました。
最初は、すぐには信じられませんでした
正直にお話ししますと、私自身、最初に「腸脳相関」という言葉を聞いたときは、すぐにはその意味を理解できませんでした。「お腹の中の状態が、脳の働きや心の状態にまで影響する」と言われても、にわかには信じがたかったのです。
しかし、いくつかの科学的な研究を知り、その考えを改めることになりました。
その一つが、マウスの腸内細菌を、そっくり別のマウスに移植する「糞便マイクロバイオータ移植(FMT)」という研究です。腸内細菌の移植なんてできるの?と思いましたが、要するにうんこの入れ替え手術です。衝撃・・
この研究によって、腸内にいる細菌たちが、行動にどのような影響を与えているのか、その因果関係を詳しく調べることができます。
例えば、精神的に安定しているマウスの腸内細菌を、不安傾向の強いマウスに移植すると、その不安な様子が和らいだ、という報告があります。腸内細菌を入れ替えることで、心の状態まで変化する可能性が示されたのです。
さらに、近年ではこんな驚くような話も耳にするようになりました。
それは、若いマウスの腸内細菌を老いたマウスに移植したところ、脳の機能が活性化し、記憶力が改善した、という研究報告です。まだ動物実験の段階であり、人間にそのまま当てはまるかは分かりませんが、「腸内環境が、若々しさにも関わっているのかもしれない」という可能性が、科学の世界で真剣に議論され始めているのです。
これらの事実が示しているのは、腸内細菌の状態は、それ自体が心の状態や、もしかすると体の活力にまで影響を与える「原因」になり得る、ということです。このことを知った時、私は大きな衝撃を受けました。腸内にいる細菌たちが、私たちの思考や感情にまで直接影響を与えているのかもしれない。自分の意思や思考だと思っていたものが、実は腸内細菌にコントロールされていた結果だったのかもしれない、と。
腸と脳は、いつも情報を交換しています
では、「腸脳相関」とは、一体どのような仕組みなのでしょうか。
これは、腸と脳がそれぞれ独立して働くのではなく、自律神経などを通じて常に情報を交換し、互いに影響を与え合っている、という関係性のことです。
例えば、大切なプレゼンの前や試験の時など、緊張するとお腹の調子が悪くなる、という経験をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。脳が感じたストレスによって物理的にお腹の調子が悪くなるとは不思議だなと思っていたのですが、これも腸脳相関の一例です。腸とメンタルは表裏一体と言えるのかもしれません。
腸は「第二の脳」とも呼ばれるほど多くの神経細胞が集まっています。そして、心を安定させ、幸福感にも関わることから「幸せホルモン」とも呼ばれる「セロトニン」という物質は、驚くことに、その約90%が腸でつくられていることが分かっています。
つまり、腸内環境を健やかに保ち、ご機嫌な状態にしてあげることは、私たちの心の安定にも直接つながっているのです。
なぜ、腸が整うと「睡眠の質」が上がるのでしょう
ここで、冒頭のお客様のお話に戻ります。
先ほどお話しした、日中に腸でつくられる「セロトニン」。実はこのセロトニンは、夜になると「メラトニン」という、自然な眠りを促すホルモンの材料になります。
つまり、日中の活動時間に腸内環境が整い、セロトニンが十分につくられていると、夜には質の良い睡眠に欠かせないメラトニンもしっかりと生成される、という良い循環が生まれるのです。
お客様が感じてくださった「朝の目覚めの良さ」は、「糀シロップ コージロー」を日々の生活に取り入れていただくことで腸内環境が整い、結果として「セロトニンからメラトニンへ」という、心と体にとって理想的なサイクルが生まれたからなのかもしれません。
腸内環境を整えることは、お通じといった身体的な変化だけでなく、心の安定や睡眠の質の向上など、私たちが思っている以上に多くの嬉しい変化につながる可能性を秘めています。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。