独自の米糀培養手法


MORYZAEの糀シロップは、糀づくりにおけるこだわりの温度管理がおいしさの秘訣です。
糀は、お米に麹菌を繁殖させて作りますが、その過程で麹菌が生成する酵素のバランスが、甘みやうまみに大きく影響します。
MORYZAEでは、独自の温度管理技術を用いることで、酵素のバランスを最適な状態に保ち、高品質な糀を安定的に製造することを可能としています。

精密な温度管理

米糀を培養する際、重要なのは培養する米糀本体の温度を適切に管理することです。
MORYZAEの培養装置は、この点に重点を置いて設計されており、温度の精密な管理を可能にします。
温度状況は逐次クラウドに送信されリアルタイムでの確認や、データの蓄積・検証ができます。

独自の小型培養装置

通常、大型の麹室では大量生産が可能ですが、室内の温度差によるバラツキが発生しやすく、安定した品質を維持するために職人による管理や調整が必要です。
MORYZAEの培養装置は非常に小型で、これにより内部の温度バラツキを最小限に抑えることができます。小型であるため、精密な温度管理が容易で、人手による調整をほとんど必要としません。
一台で製造できる量は限られていますが、複数の装置を同時運用することで必要な量を確保し、異なる麹菌を同時に培養することも可能です。

室温が可変する麹室

一般的な麹室が室温を一定に保つのに対し、MORYZAEの培養装置は、米糀の温度を目標温度に保つため室温を可変させます。
麹菌は生き物なので、ライフサイクルや活性度に応じて自己発熱したり、冷えすぎたりすることがあります。これらの変化をモニタリングしながら、適切な温度管理を行います。
この技術により、目的の酵素を豊富に含む米糀を効率的に生産することが可能です。

酵素の最適化

麹菌は温度に応じて生成する酵素が異なります。
例えば、ある温度帯では酵素Aを多く生産し、別の温度帯では酵素Bを多く生産します。
最終的な製品に必要な酵素バランスを引き出すために、米糀の温度を自動で調整します。
このため、より効率的に「甘み」「旨味」その他の特性を引き出すことができます。

装置の開発

この装置を試作し始めたのは2022年の冬でした。
当時は事業化するつもりではなく、興味の延長でこういった事を始めたのです。
制御のイメージは頭の中にありましたが、電子機器を組み立てる技術もコードを書く技術も持ち合わせていませんでした。
実現化に協力してくれたのはプログラミングやものづくり教室を行っている「K-Lab」さんです。
石川県かほく市に本社を置く株式会社PFUが中心になって運営している教室です。
装置を現実のものにするために多大なサポートをいただきました。
あらためて感謝申し上げます。

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